2限目 ウクレレの種類(大きさと音の浸透性)

■ウクレレの種類 具体的にウクレレを選ぶ時にも出てくる課題ですが ウクレレの種類ということになります。 _____灰田先生の ウクレレ独習7日間より___ ウクレレは大別して(形態的に)次の2種類があります。 スタンダード・ウクレレ  (小型ギターの形をしたもの)  音質は、細くて堅く野外でも相当遠方まで届きます。 パイナップル・ウクレレ  (小判型のもの)  音質は、太く柔らかく、野外での音の浸透性は、  スタンダードほどではありません。 このほか、、スタンダード型の2まわり、3まわり 大きなものにテナー・ウクレレ(一名タロー・パッチ) とバリトンウクレレがあります。 ともに音質は普通のウクレレよりも太く低いものです。 ________________________ こんな説明が1ページあるのです。  今ではスタンダードといわれたソプラノウクレレが 数の上で、必ずしもスタンダードでは無くなってきました。  各国のウクレレフェスティバルで演奏家が集合すると ソプラノ率は1割くらいかもしれません。。。 ■音の3要素 音の3要素は 「音の大きさ」「音の高さ」「音色」 なのですが。  着目したいのは灰田先生が触れているのは 第1に音質 次に音の浸透性 ということなのです。  この音質と浸透性があのウクレレ独特の コロコロしたサウンドのおおもとです。  逆にこれも、特徴的なのですが ウクレレのウィークポイントと言える音量には触れていません。  音が大きければ到達性が高いわけではない、 さらに人の心まで届く音かどうかとなると もっと複雑な要素が絡んできそうですね(!) ■ウクレレの特性 当時最高の演奏家である灰田先生が 音のボリュームよりも音質や浸透性を重視しているのは 非常に重要なことのように感じます。  言い換えれば ボリュームを小さく音色も限定すること このことで、ウクレレは独特の音色を得た。  さらに音の到達性を持ったことが特徴の楽器のようです。 昨日までお話しした、ウクレレのルーツである ウケケという楽器が通信手段として使われた。 このこととも非常に関係が深いのでしょう。 ■ただ、昨今の状況を見ると ウクレレのパフォーマンスというのも 一般的になってきて、オープンマイクも盛んになり 生楽器をアンプに繋いで演奏するスタイル。 これが、どんな小さなライブハウスでもプロではなくとも、 一般的になってきている現状があります。 ■そこでピックアップの問題を提起しておきます。  とりあげるのは音量を増幅する  ピックアップとアンプを用いたセットですが、 音の到達性にプラスになるものではない。 というシンプルな事実です。  音の到達性はウクレレのサイズや形状に加えて 演奏方法に大きく関わってきます。 今後お話しますが、指が弦にあたる速度が 早いほど密度高く到達性のある音になります。 ■電気的に増幅した楽器で弾くと 弱く弾いても、遅く弾いても それなりに大きめの音が出ます。 (そのための機械なんだから当たり前ですが:笑) 強く弾くと、逆にうるさいということになり。 弱く弾いて、それでも大きい音をだす。 中くらいに弾いてもっと大きい音を出す という結果になる部分があります。  そうすると肝心な強さ、早さが育たず 残念ながら到達性のある演奏力が身に付きにくい。 これが真実の1つです。 ■これを回避するには 音量増幅しないアコースティック楽器で練習すること。 まずは、演奏そして到達性が高い音を出せるようになる。 その演奏にマッチするようなマイクシステムを選び 適度なセッティングをすることが最良です。  そう、順番が大切です。 演奏は日々の訓練によって 脳が体の使い方を学習していくもの。 慣れた動きはどんどんスムースになりますが これを変えて行くのは同じように時間がかかります。 ウクレレの特徴、良さでもある到達性のある音 浸透性のある音を目指すとしたら 最初はアコースティックで練習開始する。 こちらは知って損のない情報と言えるでしょう。 だから早い段階でお伝えしておきますね(笑)  ■現状を知る=大きなサイズのウクレレについて さて灰田先生の時代にはソプラノウクレレで ひょうたん型、ギター型のものが スタンダード型と呼ばれ一般的でした。 それより大きなサイズのウクレレは そういうものもありますと3行で片付けられていました。 しかし現在では大きなサイズが主流となっております。 ■ステージでテナー率が高い理由 ウクレレフェスなどで演奏すると 最後に出演者の集合写真をとったりしますが、  演奏家のほとんどのウクレレがテナーサイズですね。 ソプラノは高橋一人ということも多いです。  ステージを降りると愛好家の人たちが持っている楽器 ではソプラノ率が上がってくる感じもあります。  ギター弾きの先生がウクレレに転向するからサイズ的に 取っ掛かりやすい。 というのは実際問題の理由です。(現実です)  後期オオタサンスタイルを取り入れたヤマハの教室が 最初からローGチューニングであるように ジェイクシマブクロ以降の奏者でウクレレを知った人は  テナーがスタンダードウクレレと認識するのは ごく自然な流れなのでしょう。 彼らの活躍でウクレレ自体の認知度が回復し 浸透したのはとても良い事ですね! ■大きなウクレレの特徴 サイズ大きくなると音量が得られる (音質はより音楽的、哲学的です!)  その代わり 浸透力、伝達力というソプラノで重視された 独特の音色は失われ、よりギターに近づいてくる。 到達力は低下する傾向があるようだと述べましたが。 公平のため良い点についても述べてみます。 大きなサイズのウクレレのメリット ・音量が大きい ・低音が豊か ・打撃音が大きい ・タッピングで出る音が大きい ・手が大きい人にも弾きやすい ・ギターなど大きなサイズの楽器になれた人にもとっかかりやすい。 ・ピッチの安定感も高い ・サスティーン(音の長さ)の長さも伸びる ・フレット数も多く音域が広い 楽器として、基本的に重要な点で 沢山メリットがあります。 ■現代人の志向にマッチしている 多くのメリットが現在人の志向に合うから 受け入れられたというのも納得できますね。 そして、ソプラノの奏者の活躍が少ない。 これらが現状を作り上げていると言えそうです。 とっかかりはどうあれ、ウクレレについて さらに勉強したくなった人は、ルーツである ウケケやその浸透性のある音などの点に着目する。  こういう部分が再評価され最初から ルーツに近い演奏方法に取り組む人がこれから 増えてくるかもしれませんね。 ■ここで質疑応答に移ります ________________________Kさん 47歳 男性 毎度お世話になります。Kです。他の楽器と比較した(ソプラノ)ウクレレの特徴について述べられていますが、述べられている言葉の意味と私の理解が合っているか、確認させてください。1.「伝達力」という言葉が頻繁に使われていますが、これは音量に関係なく、音を遠くまでクリアに飛ばしていく、という意味で宜しいでしょうか。  私は大学時代にグリークラブに所属しており、その際、「ピアニッシモもフォルテシモと同じように声を響かせ、 コンサートホールの一番奥のお客さんに音を届ける。 どんなに大きな声を出しても響きが無いと音は飛ばず、 遠くのお客さんには聞こえない。」と、指揮者の方に指導を受けましたので、それと同じことかと認識しております。  また、ソプラノウクレレのスタンダード型は、 他の形・大きさのウクレレよりもその意味で、「伝達力」に優れる、という事でしょうか。2.上記1の「伝達力」はHigh-G、Low-Gに関係なく、 ということでよろしいでしょうか。 灰田先生はおそらくHigh-Gで演奏されていたと思いますが、 オータサンのLow-Gであってもソプラノウクレレの伝達性は同じ、 と考えてよろしいでしょうか。  それともチューニングによって変わってくるものでしょうか。 以上、よろしくお願い致します。_______________________________ Kさん、鋭いご質問をありがとうございます! 高橋は何気に灰田先生の引用や 森先生の説を反復して書いていますが、 再度お答えしますと、■伝達力 指揮者の方が言われたように よい響きを得ることで小さな音量でも 大きな音量でもホールの1番後ろ までよく届く音を得ること。 これが伝達性、浸透性と言うところで 高橋が使っている意味と同じ そのように考えていいと思います。 ■物理学的には低音が到達する 音の物理学でいうと低い音の方が 空気中を伝わる際の減衰が少なく 遠くまで届くはずなのですが。 ウクレレではパイナップルよりスタンダード型 の方が遠くまで届く音であると灰田先生も書かれております。 ■音の質 パイナップルは太く柔らかい音色、スタンダードは細く堅い という記述となっています。 サイズが大きくなると太く低い音になるという記述ですね。 ソプラノがテナーより伝達性が高いか 明確な記述は無いのですが,高橋は ソプラノの方が勝っていると感じています。 (ソプラノ弾きのひいき目でしょうか!) (ウクレレ自体の伝達性が高いとは森先生も仰っていました。)  これは人間の耳が比較的高めの音を聞き取りやすいこと。 が1つ挙げられます。 生活音のノイズの中から拾いだして聞きやすいという 側面もあるでしょう。  物理的側面、生理的側面に加え文化的、 心理的な面も含むので複雑な課題ですね。  また人の声や楽器の音についても いろんな成分の音が含まれていますが、 これらが乱雑なバランス、成分を持つと濁った音になります。 対して、美しく透き通った音は これがある部分に集中している(ある意味偏っている) と密度の高い音い良いになってくるわけです。 ■音の焦点 音を出すために出されたエネルギーが 余分な音に取られず 特定の周波数への変換にフォーカスされ うまく必要な音を取り出せる。 これがつくりの良い楽器、良い声の出し方と思うのです。  このコントラストにより、出した音が周りの音に埋もれず はっきりと浮かび上がって聞こえると言うことがあると思います。 このような音が聞き取りやすく 遠くまで伝わりやすいと言えるのではないかと思ってます。 ■音質の重要性  ソプラノが大きなサイズのウクレレよりも 倍音や共鳴の部分に特徴があり、特定の周波数に 非常に密度の高い音が出るのではないかと思っています。 今後も調べて行きたいと思います。 ■ハイGとローG そしてハイGとローGですが全く同じでは無いでしょう。 余談ですが到達性以前に、弦の種類と楽器との 相性が大きい気がしています。  大きい音が出ても、他の3弦の音とその質において マッチしないようなローG弦があります。 こんなローG弦と楽器の組み合わせで弾いてみると おそらく、到達性、伝達性以前の問題があります。  良い音があって、そして伝達力という順序がある気がします。 楽器と、他の弦とマッチするようなローGを選べば 全体の伝達力が低下することがないと思っています。  灰田先生とオオタさんの演奏という点では どちらも達した演奏。 ピッキングが強い灰田方式が有利と思いますが オオタさんもあれだけの演奏、いづれも伝達力は強いでしょうね。 ■楽器と演奏の累積 楽器そのものだけではなく、演奏方法 との累積で伝達性が変わってきますので なかなか難しい分野の話ですが  ウクレレを練習していく中でも 伝達性、到達性の高い音に近づきたい というのも1つの目標なると思いますので そんな意識も持ちながら取り組んでいきましょう。  高橋もさらに勉強して より詳しい情報お届けできるように取り組んでいきます。 よろしくお願いします。 それでは2限目の講義はここまでです!またお会い致しましょう!日々の研究レポートは無料メルマガ「うずまきシステムデザイン論」にて報告しています。本メルマガ100個弱のご感想(読者様の声)はこちら 3弦目:ウクレレとギターの違い はこちら