帰宅すると封筒が2通ポストにあります。
産經新聞社 事業部からです。
そう、梅雨入り前に制作した産経国際書道展の結果がでました。
良い結果でした。具体的には途中に織り交ぜつつ。
■あらためて書道の先生の指導がすごいことに 感じ入る、そのことにつきます。
おそらく何年も何年も、出し続けて それでもかすらない。
というのが展覧会のようです。 流派によっては勉強会を開き
徹夜で100枚書くのです。 風呂もふとんも入らず。
もちろん僕らも、そういう体験は やってもいいし やるべきだと思います。
■それが、実質書くのは1日 もちろん、テーマ選びから カタチの感じをイメージ膨らませたり
新聞を張り合わせて ぞうきんで書いたり
かなりお金をかけずに(笑) 意味のある勉強、準備をするわけですが、
その勉強方法も先生の経験と 僕らのアイデアと即興的につくりだしていく。 (ほとんど先生の経験ですが。。。)
■この書道の先生の指導だと 留学中の外人さんが いきなり初出品で特選をとったり してしまうので。
ほとんど、まともにやっているひとは カンベンしてください、という世界 なのですが、
裏を返すと、他の先生方が いかに教えられないかということ なのかもしれません。
実質の書についても そして、惜しみなく指導するという点でも。
■どの先生につくかは、自分がどの書道の歴史に繋がるか ということと同じです。
僕の書道の先生は遠藤香葉 先生で この先生の先生は 松井流如 先生
この先生は、日本で一字や二字の大書 というジャンルを作り上げた先生なのです。
書体は、篆書、隷書、草書、等々なんでも ありますが。
■今回はこの先生の一字でもある「如」 という字を
1つは、篆書 もう1つは、草書
で書いたのです。
この如という字は 女偏に口ですね。 これは古代の巫女の口 この巫女の口から出る言葉は 神の言葉
巫女の口が神の口となるように 物事同士がぴたりとくっついて 嘘の無い、状態を表わす字なのです。
■こんな風に、テーマを大事にすることは ウクレレの森先生からも学びました。 いつも、テーマの重要性を いつも、いつも、おっしゃいました。
森先生に言わせると全ての技術は テーマを語る為の物だといいます。 もちろん技術はすごいものですが
やはり語るべきテーマがなければ 語る意味が無いのでしょうか。 やたら流麗で耳にここちいいけど無意味 という言葉を出す人がいますよね。
■巧言令色少なし仁というやつです。 決して、そういう部分を肯定なさらない。
ときどき、字を森先生に見て頂くと やはりテーマの重要性を説かれる。
その話を遠藤先生にすると、 全くその通りと言われる。
いつか二人の対談を聞いて見たいものです。
■そして技術を教えてももらう。 テーマは先生の作品のテーマ性を拝見しながら 自分でも読書なども通じて 文字や、歴史や、意味というものを 学んでいきました。
そして、意味と、カタチの美しさと、書き良さ の何拍子もそろう字を探す訳です。
何種類もの辞書を引いては古典の書体を 見て、イメージを膨らませます。
そして、これを大きな新聞紙にいろいろ 書いてみて、最終イメージを作ります。
■そして、本番の日は朝から昼まで墨をすり 昼飯、一服後、書き始め ある程度書いて、もう進めない 全然かけなくて、ダメだ
というころに、先生が見に来られます。 墨の色をチェックし 濃くしたり、色を最適にします。 (基本、薄める方向にしかいきませんが。。)
そして毎年、結局 同じご指導です。
カタチが取れて来た 今度は、どかーんと勢いを出しなさい。
■たっぷり墨をつけて! もう、風呂おけいっぱいの墨を左にかかえ ここにめいっぱい浸した大筆
桶からあげるやいなや 滝のようにしたたりますので それより早い速度で 紙にぶつけていくのです。
バシャ! 2画目にいくときも筆をあげる ところから滝のようにおちるので 速度が命です。
高速で、正確な位置に叩き付けて
■このスピードと叩き付ける力 そして含ませる墨の量の何拍子もそろって
いい色が出てきます。 また、訓練で鍛えていればこそ こういうところで迷い無く スカッと線がひける。
速度がないと、綺麗な線が出ないんです。
■音楽でも同じ説明を一度しましたが ためらいなく、一本の線をひけるように なるために
沢山の反復練習をするのです。
このことが一本の綺麗な線につながり 音だと、綺麗な純度の高い音になります。
このことも含め すべて僕は先生がたに教わって来ました。
なんのオリジナルもありません。
■なにかを身につけたいときは どうか、先生選びを最初の最重要課題 になさって頂きたい。
僕も、これからもなにかを学ぶ時は そうします。
教える物が沢山ある先生でないと 時間が沢山あっても教わる事は 少ないでしょう。
そして全て教える覚悟がある先生でないと 本人がすこくても、弟子はパッとしないでしょう。
書き忘れないように、産経国際書道展4年連続、合計5作品の入選をはたしました。今回は2点同時入選です。
いかに先生を選ぶことが大事か伝われば幸いです。
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何百年の歴史を受け継ぎ、そして あわよくばその先の歴史になり 命を次に繋げていけたら最高ですね。 どうぞ、本当の先生を探されますように。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
教師に出会う事は、歴史に出会う事。
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